日々の症例 62 神経根嚢胞



 


62-1)40歳代、女性。仙骨部痛

>画像所見 : S2のレベルで脊柱管右寄りに10x15mmほどの嚢胞性病変がみられる。S2椎体の後面にごく軽度の圧痕が疑えるが、明らかな sacral erosion はみられない。
>診断 : 神経根嚢腫(sacral perineural cyst)
>解説 : 仙椎レベルに好発する神経根嚢の限局性拡張で、Tarlov cyst、sacral nerve root cyst などとも呼ばれる。神経根周囲の嚢胞状拡張であり、内部に神経の走行が確認できれば診断は確実である。通常は無症状で、偶然発見されることが多いが、下肢痛などの神経根症状や膀胱直腸障害がみられる場合は手術適応となる。



62-2)60歳代、女性。椎間板ヘルニアの精査

>画像所見 : S1のレベルで右第1仙骨神経周囲に嚢胞状拡張が見られる。T2強調像では嚢胞内に仙骨神経が低信号として確認できる(↓)
>診断 : 神経根嚢腫(sacral perineural cyst)
 
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