64列マルチスライスCTを導入いたしました

 
 





  当院では、最新型64列マルチスライスCT(東芝メディカルシステムズ製 AquilionCXL)を新しく導入いたしました。この装置は瞬時に128断面(スライス)が同時に撮影できる世界最高水準のマルチスライス技術を有しており、短時間で高画質の画像による検査を行うことが可能です。また、様々な被ばく低減技術を採用しており、低被ばくでありながら、高画質での撮影が可能です。日本放射線技師会による医療被ばくガイドラインで定められた、被ばく低減目標値よりさらに低い線量での撮影が可能です。患者様には寝台に寝ていただくだけで、頭部・胸部・腹部など全身のスクリーニング検査の他、新しい大腸癌診断法として注目されている CT-Colonography(CTC)や、冠動脈をはじめ、頭部・頸部・大動脈・下肢他、全身の血管の撮影など最先端の検査を受けていただけます。

                東芝メディカルシステムズ製 AquilionCXL


大腸CT検査 (CT-colonography)とは

  空気で拡張させた大腸を最新のマルチスライスCTで撮影し、コンピュータ処理する事で、大腸の精密検査が可能となりました。当院ではこの検査専用に開発された炭酸ガス注入器も導入しています。空気の代わりに炭酸ガスを使用しますので、検査後の膨満感なども非常に少なくてすみます。

大腸CT検査 (CT-colonography)の特徴

 大腸内視鏡検査は早期がんの診断で最も感度が高いされていますが、被検者の身体的負担が大きいことが問題です。一方、CT-colonographyは、負担が少なく、内視鏡検査と同等の高精度な大腸検査ができることが明らかになっています。

・ 検査時間は10分程度です。
・ 臨床的に問題となる、5mm以上のポリープに対して十分な診断能があると確認されています。
・ 平成24年4月より、保険診療の適応となりました。


CT-colonography 画像      
手術後に大腸を切り開いた様な画像が得られます。










                   仮想切除標本展開像
                                         画像をクリックすると拡大します。



大腸の外観が観察できます。














            仮想注腸像
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画像処理により、大腸内視鏡検査の様な画像が得られます。また、CT-colonographyによる仮想内視鏡像では、通常の内視鏡検査では苦手とされている、ヒダの裏側からの観察も容易に行うことが可能です。
           仮想内視鏡像
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冠動脈CT検査 (coronary CT)

 狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患の診断には、冠動脈病変の評価が不可欠です。近年の画像診断技術の進歩により、最近までは心臓カテーテル検査でしか評価する事ができなかった冠動脈が、マルチスライスCTで評価できるようになりました。冠動脈CTはカテーテルを挿入する必要がなく、腕の静脈から造影剤を注入し冠動脈を造影する簡単な検査方法です。外来にて検査を受けていただき、短時間で終了することができます。当院では最新型64列マルチスライスCTを導入し、冠動脈
、心機能の評価を行っております。

                                                                                      


coronary CT 画像
心臓を栄養する主要な血管である右冠動脈および左冠動脈(左前下行枝・左回旋枝)が描出されています。
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CT 心機能解析
画像処理ワークステーションにより、心駆出率、ブルズアイ表示(心筋の壁運動や壁厚局所駆出率など)を表示することが出来ます。
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3D-CTアンギオグラフィー

CT-アンギオグラフィーとは、腕の静脈から造影剤を入れ、目的とする部位を撮影し、ワークステーションと言う画像解析システムを用いることにより血管を立体的に描出させる方法です。脳血管や大動脈の他、頸部や四肢の血管の描出が可能です。現在では、CT装置の進歩により5〜10秒程度で1回の検査が終了します。


胸部大動脈瘤の立体画像です。
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