日々の症例 96 慢性膵炎 



 


96) 50歳代、男性。大酒家。背部痛。

>画像所見 : 腹部単純写真で胃のガスに重なって小石灰化が多発している。単純CTでは膵管内に存在する膵石であることが明らか。
>診断 : 慢性膵炎(chr. pancreatitis)
>解説 : 
膵石の存在は慢性膵炎の確診所見である。特にアルコール性膵炎では半数近くの症例で膵石がみられる。過度の飲酒によって膵管内に蛋白栓が形成され、これに石灰沈着をきたして膵石ができると考えられている。また、急性膵炎では膵管の拡張はみられないのに対して、慢性膵炎では高率に膵管拡張を伴い、急性膵炎と慢性膵炎の急性増悪との鑑別点になる。

  

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