日々の症例 90 上腸間膜動脈症候群                         






90-1) 30歳代、女性。食後の腹満感と嘔吐

  

>画像所見 : 
胃・十二指腸X線写真:十二指腸水平脚にSMAによると思われる圧痕が見られ()、通過障害をきたしている。
腹部造影CT:十二指腸水平脚はSMAaortaに挟まれて狭小化し(↓)、口側の十二指腸内腔(D)は拡張している。
>診断 : 上腸間膜動脈症候群(SMA syndrome)
>解説 : 十二指腸水平脚が上腸間膜動脈と腹部大動脈にサンドイッチされて通過障害をきたす病態。痩せ型の女性で、SMAと大動脈の分岐角が通常より急峻な場合に好発する。腹部の膨満感、食欲不振、嘔気、嘔吐(胆汁性)、腹痛などが主症状で、食事摂取により増強する。症状は腹臥位や左側臥位で軽快する。

90-2) 90歳代、女性。頻回の嘔吐。

>画像所見 : 十二指腸水平脚はSMAAortaに挟まれて狭小化しており、口側の十二指腸内腔は拡張している。
>診断 : 上腸間膜動脈症候群(SMA syndrome)

                                             寺元記念病院画像診断センターへ