日々の症例 84 大腸癌





84
60歳、男性。便潜血陽性。

>画像所見 : 
US検査 : 下行結腸内腔の高エコー内に突出する2cm近い低エコー腫瘤()がみられる。
注腸X線検査 : 下行結腸下部に2cm大、S状結腸に3cm大の隆起性病変()がみられる。側面像では壁の硬化像も明らかで、進行癌と考えられる。
>診断 : 大腸癌(colon cancer)

>解説 : 
大腸内視鏡で、下行結腸とS状結腸の病変はいずれもBorrmann 1型進行癌と確診され、手術が施行された。上行結腸と下行結腸は側腹部からの走査で容易に描出することができるため、スクリーニングUS検査の絶好の対象臓器である。S状結腸の病変は前方に存在する小腸ガスのため描出できなかったが、血便などの消化管疾患を疑う場合のUS検査に際しては、描出できる範囲で消化管病変にも留意する必要がある。

            
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