日々の症例 83 処女膜閉鎖





83)11歳、女児。 下腹部痛。初潮はまだない。

>画像所見 : USで腟(V)は嚢状に拡張しており、内部は2層性の液体貯留が見られる。子宮膣部は捲れあがる様に開大しているが、子宮体部(*)はほぼ正常である。US同様、CTでも膣が6cmほどに拡張しており、淡い高濃度域が沈殿するように存在していることが分かる。
>診断 : 処女膜閉鎖 (hymenal atresia)

>解説 : 処女膜に穿孔がないため、月経血が体外に排出されずに貯留する病態。子宮よりも壁の薄い腟が嚢胞状に拡張し、月経周期に合わせた周期的な下腹部痛をきたすようになる。本例は直ちに全身麻酔下で処女膜切開術が施行され、多量の血液流出をみた。

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