日々の症例 7 前頭骨内板肥厚症











7-1) 30歳代、女性。頭痛

    

>画像所見 : 前頭骨が左右対称、凸レンズ状に肥厚している。骨条件(ウィンドウ2000/レベル600)では骨肥厚は前頭骨内板が主体であり、前頭骨外板はほぼ正常の厚みであることがわかる。
>診断 : 前頭骨内板肥厚症(hyperostosis frontalis interna
>解説 : 前頭骨過骨症、あるいは前頭骨内板肥厚症は30歳代以後の女性にしばしばみられる前頭骨内板の原因不明の骨硬化で病的意義は少ないが、頭痛などを訴えることがある。閉経後の糖尿病患者で特に高頻度にみられ、肥満と男性化を合併したものはMorgagni症候群と呼ばれる。meningioma fibrous dysplasia による骨肥厚(fibrous dysplasiaでは内板は侵されない)との鑑別を要することもあるが、本症では両側対称性に内板が肥厚し、正中部は侵されないのが特徴的である。



7-2) 70歳代、女性。無症状。

>画像所見:前頭骨内板が左右対称性に肥厚している。
>診断:前頭骨内板肥厚症(hyperostosis frontalis interna)

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