日々の症例 60 右踵骨の骨挫傷



 


60) 30歳代、男性。3日前に階段でつまずいて4段上から飛び降り、その後踵部痛持続。


>画像所見 : 踵骨にT1強調像で低信号、T2強調脂肪抑制像で高信号を呈する境界不明瞭な病変がみられる。骨単純X-pでは異常所見は指摘できない。
>診断 : 右踵骨の骨挫傷(bone bruise)
>解説 : 骨単純X線撮影ではとらえられないような軽度の骨髄病変(骨挫傷)が、MRIの出現によって容易に評価できるようになった。T1強調像で低信号、T2強調像で高信号、T2強調の脂肪抑制像ではさらに明瞭な高信号としてとらえられ、骨髄内の浮腫や出血を反映した所見と考えられている。通常、保存的治療によって数カ月以内に異常信号は消失する。

 
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