日々の症例 50 胃幽門部粘膜脱



 


50) 無症状。人間ドックで施行した上部消化管X線検査 2症例


>画像所見 : いずれも胃前庭部の圧迫像で幽門輪から十二指腸球部に連続する分葉状のfilling defectがみられ、圧迫の強さを加減することでこの欠損像の形状は大きく変化した。
>診断 : 胃幽門部粘膜脱(prolapsed antral mucosa
>解説 : 幽門部の粘膜の一部が十二指腸球部に脱出したもの。一過性、可逆性の変化で、病的意義は少ない。幽門部から球底部に連続する茸状あるいはカリフラワー状の陰影欠損としてみられることが多い。脱出粘膜が嵌頓すると通過障害や消化器症状を呈しうるとされるが、極めてまれである

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