日々の症例 30 結節性硬化症



  


30) 10歳代、男児。痙攣、知能低下、皮膚の色素斑、顔面に多発する皮脂腺腫

    

>画像所見 : 両側側脳室の壁に突き刺さるように石灰化がみられ、典型的な結節性硬化症にみられるsubependymal tuberの石灰化と考えられる。
>診断 : 結節性硬化症(tuberous sclerosis)
>解説 : てんかん、精神発達遅延、顔面の皮脂腺腫を三徴とする遺伝性疾患。常染色体優性遺伝だが、5080%は突然変異によって発生する。本症の90%以上の頻度で、大脳白質、灰白質、あるいは上衣下に結節(tuber)が散在する。特に上衣下結節は石灰化の頻度が高く、脳室に突き刺さるように存在する石灰化として確認され、疾患特異的といえる。腎をはじめとした多臓器に過誤腫がみられ、色素斑などの皮膚病変、心臓の横紋筋腫なども合併する。

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