日々の症例 220 類上皮腫 ( epidermoid )




22050歳代、女性。めまい。

>画像所見 : 右小脳橋角部を中心に小脳テントに沿ってT1強調像で脳灰白質より低信号、T2強調像、FLAIR像、Diffusion像で高信号を示す境界明瞭な領域がみられ、脳橋は圧排されている。
>診断 : 類上皮腫(epidermoid
>解説 : 類上皮腫はあらゆる年齢に発生するが、4060歳代に多い。好発部位は小脳橋角部、傍鞍部、第4脳室前方などで、しばしばかなり大きくなり、脳実質を圧排する。小脳橋角部からテントを越えて中頭蓋窩に達したり、大孔に進展することも特徴に挙げられる。くも膜嚢胞がDiffusion像で低信号であるのに対して、類上皮腫は高信号を示すのが最大の特徴。

メモ:
類皮腫(dermoid)は類上皮腫(epidermoid )よりも若年者(010歳代に多い)で、小脳虫部、第4脳室、下垂体、橋、眼窩、馬尾などの正中部に好発。
DWIで高信号ならepidermoid、脂肪成分を含めばdermoid
Epidermoidfatはチーズ様でsolidのことが多く、dermoidでは流動性のことが多い。

 

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