日々の症例 214 篩骨紙様板の欠損




214-180歳代、男性。転倒して頭部打撲。

>画像所見 : 右眼窩内側壁が一部欠損して眼窩内脂肪が篩骨洞に突出している(←)。内側直筋の偏位はない。このCT像のみでは打撲による右眼窩内側吹き抜け骨折なのか単なる先天的な紙様板の欠損なのか判定できない。本例では3年前の頭部MRIでも、同様に眼窩内脂肪の篩骨洞への突出が確認できたので、少なくとも今回の打撲による変化でないことが確認できた。
>診断 : 篩骨紙様板の欠損

>解説 : 
眼窩内側の骨壁(篩骨紙様板)の部分的欠損、あるいは篩骨洞への陥没様の変化は剖検例の510%にみられるとされている。先天的な正常変異、あるいは過去のふきぬけ骨折の既往が示唆される。内視鏡下副鼻腔手術においては、眼窩合併症の防止のためにも、術前情報として指摘しておく必要がある。

 3年前のMRIでも眼窩内脂肪の篩骨洞への突出がみられた。


214-260歳代、男性。人間ドック

>画像所見 : 左眼窩内側壁が一部欠損している(→)。内側直筋の偏位はない
診断 : 篩骨紙様板の欠損
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