日々の症例 212 活動性肺結核




212-1)食欲不振と微熱で来院した50歳代、男性。

>画像所見 : 両側上肺野に境界不鮮明な浸潤影と粒状影が多数分布しており、空洞を伴っている。気管支壁の肥厚と拡張も明らか。右下肺に胸水貯留と胸膜肥厚がみられる。
>診断 :
活動性肺結核
>解説 : 
空洞形成と気管支の不整な拡張は気管支結核を示唆しており、多発する小粒状影も経気管支散布されたTbc病巣と考えられる。結核性空洞内に液面形成がみられることはまずない。右下肺の変化も結核性胸膜炎の可能性が高い。直ちに主治医に連絡した。喀痰の結核菌PCR陽性、塗抹標本でガフキー9号であった。

  212-250歳代、男性。全身倦怠感。

>画像所見 : 右上肺に大小不整形の空洞がみられる。上肺野優位で微細粒状影がびまん性に分布し、いわゆる樹枝状影(tree-in-bud appearance)と呼ばれる所見を呈している。
診断 : 活動性肺結核
解説 : 喀痰塗抹標本でGaffky 6号、結核菌PCR陽性であった。空洞の存在は気道との交通の存在を示唆しており、経気道散布源として重要である。

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