日々の症例 211 胸部単純X線写真 立位と臥位の比較




211胸部単純X線写真 立位と臥位の比較

>解説 : 通常の立位正面像は後前像(PA)で撮影され、管球-フィルム間距離は2m、管電圧も120kV以上の高圧撮影が標準。一方、ポータブル撮影などの臥位撮影は前後像(AP)で管球-フィルム間距離は1m程度、管電圧も120kV以上はでないため、骨陰影が目立ち、縦隔陰影は大きく描出される。臥位では肺血流量は立位と比べて約30%増加するため肺血管影も目立つ。右上縦隔が突出して、一見、腕頭動脈の蛇行があるかのように見えることも多い。肩甲骨の「抜け」も悪く、肺野に重なる。側胸部の軟部陰影も臥位撮影の方が厚く描出される。

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