日々の症例 208 大腿ヘルニア嵌頓




20880歳代、女性。腸閉塞。

>画像所見 : 
US:左側腹部縦走査でキーボードサインを示す拡張した小腸がみられ、腸閉塞である。この内側には虚脱した下行結腸がみられる。左大腿部で大腿静脈(V)の内側皮下に脱出した小腸がみられ、周囲に液貯留も明らか。
CTUS同様、大腿静脈の内側皮下に腫瘤像がみられる()
>診断 : 大腿ヘルニア嵌頓

>解説 : 嵌頓した腸管は静脈閉塞のためうっ血し、やがて壁の透過性が亢進して液体漏出(ヘルニア水)をきたすようになる。本例はヘルニア嚢内に液貯留もみられることから、嵌頓した腸管の壊死を疑ったが、手術ではかろうじて腸管壊死には至っていなかった。


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