日々の症例 207 食道憩室




20780歳代、女性。頸部違和感。

>画像所見 : US15mm大の左甲状腺腫瘤が疑われたが、嚥下運動に伴って内容物が食道内腔と連続していることが確認できた。食道造影では頚部食道の左前方に突出する憩室が明らか。
>診断 : 食道憩室(Killian-Jamieson憩室

>解説 : 
頚部食道憩室としては、Zenker (ツエンカー)憩室とKillian-Jamieson(キリアン-ジェイミーソン)憩室が知られている。いずれも、まれな圧出性の仮性憩室だが、嚥下障害や嗄声などの症状によっては手術適応となる。ツエンカー憩室は輪状咽頭筋直上の生理的的脆弱部から後方に突出する。一方、キリアン-ジェイミーソン憩室は輪状咽頭筋直下から外側前方に突出するため甲状腺腫瘍と間違われやすいので、食道との連続性の有無に留意して検査することが重要である。


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