日々の症例 204 脳静脈奇形




20470歳代、男性。無症状。

>画像所見 : 左小脳内を直線状に走行する血管がflow voidとして確認できる。磁化率強調画像(SWI)では細い複数の血管が放射状に走行しているのも確認できる。hemorrhagic scar と思われる小さな低信号もみられる(↑)。
>診断 : 静脈奇形 Venous malformation
>解説 : 
静脈奇形は血管奇形の中では最も多く、生下時に皮膚や皮下組織にみられることが多いが、成人では筋内や脳内などにも好発する。umbrellaと呼ばれる放射状に走行する多数の小静脈が集合して一本の拡張した流出静脈になるパターンが典型像。この流出静脈は比較的直線的に走行することも特徴にあげられる。動脈は正常。磁化率強調像(Susceptibility weighted imagingSWI)は従来のT2*強調像よりも微小出血巣の検出に鋭敏で、静脈血や急性期脳塞栓症における血栓の描出にも優れている。

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