日々の症例 198 樹枝状脂肪腫




19870歳代、女性。左変形性膝関節症。

>画像所見 :  関節裂隙の狭小化、骨棘形成、関節軟骨の菲薄化といった変形性膝関節症の所見が目立つ。膝蓋上嚢を中心に液貯留がみられ、内部に絨毛状・樹枝状に分布する構造物がみられる。この構造物はいずれのシークエンスでも皮下脂肪織と同等の信号強度を示しており、T2*強調像でヘモジデリン沈着を示唆するような低信号ではないことから、色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)は否定できる。
>診断 : 
樹枝状脂肪腫(lipoma arborescens)
>解説 : 
樹枝状脂肪腫は滑膜に成熟脂肪織が増殖する病態で、慢性関節炎に対する反応性変化と考えられている。本例のように膝蓋上嚢に好発し、両側性に認めることもある。

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