日々の症例 194 下大静脈奇静脈結合




19480歳代、女性。胆石術前精査目的のCT

>画像所見 : 下大静脈(V)は腎動脈のレベルで急激に狭小・閉塞しており(→)、これより頭側のレベルでは拡張した奇静脈(Z→)がみられる。奇静脈弓も拡張している。
>診断 : 下大静脈奇静脈結合(azygos continuation of IVC
>解説 : 
胎生期の右主下静脈と肝静脈との吻合がおこらなかったため、下大静脈が腎静脈合流部直上までしか存在しない先天奇形で、下大静脈欠損とも呼ばれる。IVCの血流は奇静脈系に流入し、上大静脈を経て右房に還流するため、奇静脈は異常に拡張する。多脾症や無脾症、心房中隔欠損、肺静脈環流異常、内臓逆位などの先天異常を伴うことが多いとされていたが、画像診断の進歩によって無症状例も多く発見されるようになった。肝静脈は直接、または残存する胸部下大静脈を通じて右房へ還流する。
<メモ>
 総腸骨静脈から出た右上行腰静脈は横隔膜のレベルで奇静脈となる。奇静脈は右retrocrural spaceを上行して気管分岐部の高さで前方に弧を描き(azygos arch)、上大静脈に注ぐ。


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