日々の症例 191 内軟骨腫(enchondroma)




19130歳代、女性。手作業時の右環指の痛み。

>画像所見 : 骨単純X線写真では、環指基節骨の骨幹端に膨張性の骨透亮像がみられる。骨皮質は菲薄化し、内部に点状の石灰化がみられる。MRIT2強調像では不均一高信号、T2強調像で筋肉と同程度の低信号、造影では辺縁部に増強効果がみられる。
>診断 : 内軟骨腫(enchondroma
>解説 : 
手足の小さな短管骨には軟骨肉腫はまれだが、骨盤骨や脊椎などに生じた軟骨性腫瘍の場合は内軟骨腫と軟骨肉腫との鑑別は難しく、痛みや骨皮質の破壊、骨膜反応、軟部腫瘤の有無などを総合して診断される。軟骨性腫瘍では病理組織学的にも良悪の判定は必ずしも容易ではなく、画像所見と病理所見を総合して最終診断されることが多い。正確な病理診断をしてもらうためには、病理医への画像情報の提供を疎かにしてはいけない。
<メモ>
1)雲状あるいは濃厚な塊状の石灰化はosteosarcomaosteoblastomaといった骨形成を特徴とする腫瘍でみられる。2)点状、輪状、弧状の石灰化はchondrosarcomachondroblastomaenchondromaといった軟骨形成を特徴とする腫瘍でみられる。

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