日々の症例 178 急性虫垂炎および虫垂粘液嚢胞腺腫                による限局性疑粘液腫




17830歳代、男性。右下腹部痛と炎症反応

>画像所見 : USでは右下腹の限局性疼痛の直下で腫大した虫垂が描出された。虫垂壁の層構造も先端部分で不鮮明化しており、周囲に混濁した液貯留も描出みられる。単純CTでも回盲部の脂肪織混濁(dirty fat sign)と液貯留がみられ、急性虫垂炎による膿瘍形成で矛盾しない。
>最終診断 : 
急性虫垂炎および虫垂粘液嚢胞腺腫による限局性腹膜偽粘液腫
>解説 : 
腹所見では、腫大した虫垂に穿孔があり、周囲には膿汁の混ざった黄色ゼリー状の腹水が貯留していた。病理組織学的に虫垂の粘液嚢胞腺腫が確認され、今回の症状を引き起こしたacute appendicitisの原因と考えられた。画像上は、限局性のpseudomyxoma peritonei abscessとの鑑別は困難である。

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