日々の症例 169 回腸脂肪腫




16950歳代、女性。腹痛とイレウス

>画像所見 : 
US:来院時US検査で小腸イレウス像が明らかで、終末回腸に閉塞の原因となった3cm近い高エコー腫瘤がみられた(↑)。均一な高エコー腫瘤像を示し、脂肪腫と考えられる。
単純CTCTでも終末回腸内に脂肪の濃度を示す腫瘤が明らか。ガストログラフィンを用いた注腸X線検査でも終末回腸にfilling defectが確認できた。
>診断 : 回腸脂肪腫
>解説 : 手術にてBauhin弁から約20cm口側の回腸粘膜下層から生じた脂肪腫を先進部とした腸重積であることが確認された。乳幼児にみられる特発性腸重積と異なり、年長児以降の腸重積では原因となる器質的異常の存在することがほとんどで、丁寧に先進部を観察すれば腫瘤性病変が明らかになることが多い。小腸の脂肪腫は回腸に好発し、腸重積の原因となる。

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