日々の症例 144 ACL断裂、内側半月板バケツ柄断裂




14420歳代、男性。スキーで転倒、受傷した。

>画像所見 : STIR矢状断では大腿骨下面と脛骨後部に骨髄浮腫がみられ(→)、Kissing contusionの所見である。ACLは断裂している。T2*強調像矢状断でPCLの下方にも靭帯様の低信号がみられ、冠状断では顆間部に突出した内側半月板の一部であることがわかる(↑)。
>診断 : ACL断裂、内側半月板バケツ柄断裂
>解説 : 
半月板断裂は水平断裂と垂直断裂に大別されるが。広範囲に縦断裂が生じ、その一方がバケツの柄のように翻転したものをバケツ柄断裂と呼ぶ。矢状断像ではこの内方に偏位したバケツの柄部分が後十字靭帯(PCL)と併走し、double PCL signを示す。本例では大腿骨外顆と脛骨外顆後面が激しくぶつかったことによる骨髄浮腫および前十字靭帯(ACL)断裂を伴っている。

<メモ>
円板状半月板が外側半月板に好発するのに対して、バケツ柄断裂は内側半月板に圧倒的に多い


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