日々の症例 13 S状結腸捻転症




13-1) 80歳代、女性。急性腹症で救急搬入された。

画像所見 : ガスで拡張したS状結腸がみられ、いわゆるcoffee bean signを示している。薄いバリウムを注腸したところ、直腸上部で嘴状の狭小化(bird beak sign)がみられた。典型的なS状結腸捻転の腹部単純X線像と注腸X線像である。
>診断 : S状結腸捻転症(volvulus of sigmoid colon
>解説 : 慢性的な便秘症の人が突発する腹痛と腹部膨満を訴えればS状結腸捻転症を第一に疑わねばならない。薄いバリウムあるいはガストログラフィンの注腸で診断は確定できる。直ちにX線透視下あるいは大腸内視鏡を用いて捻転部のさらに口側に直腸チューブを進めて減圧・捻転解除を行わなければならない代表的な救急疾患である。
<メモ>
直腸チューブの挿入法 :
 柔らかいネラトン型直腸チューブに大腸内視鏡用のスライディングチューブを付ける。スライディングチューブを捻転部直前まで進め、直腸チューブを捩じ込みながら挿入する。最初に細いネラトンチューブで緊満したS状結腸の減圧をしてから太いチューブに交換する方が容易かつ安全に行える。直腸チューブを45日留置しておけば捻転は解除されるが、再発することも多く、手術を勧める方がよい。


13-2) 90歳代、女性。突発する腹部膨満感と腹痛で救急外来受診

画像所見 : ガスで著しく拡張したS状結腸は横隔膜直下に達している。直腸にはガスや糞塊はみられず、S状結腸での閉塞が疑える。ガストログラフィンの注腸では、直腸上方での通過障害があり、先細りしたbird beak signがみられる。典型的なS状結腸捻転の腹部単純X線像と注腸X線像である。
>診断 : S状結腸捻転症(volvulus of sigmoid colon
>解説 : 直ちにX線透視下で捻転部の口側に直腸チューブを進めて減圧を行った。5日間の直腸チューブ留置で捻転は解除され、退院となった。

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