日々の症例 128 ニューモシスチス肺炎




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30歳代、男性。息切れで来院。

>画像所見 : 両下肺野優位で微細な網状影とすりガラス影が広がっている。
>診断 : 
ニューモシスチス肺炎(旧 カリニ肺炎)
>解説 : 
広範なすりガラス影を示す代表的な疾患としては、ニューモシスチス肺炎とサイトメガロウイルス肺炎があげられる。他にも肺胞蛋白症、間質性肺炎、過敏性肺臓炎、薬剤性肺炎など、多岐にわたる。
 ニューモシスチス肺炎はエイズ指標疾患のうち最も多い日和見感染症である。慢性、再発性に経過することも多く、様々な程度のすりガラス影や網状影を示すが、胸水やリンパ節腫大は稀。初発症状は発熱、乾性咳嗽、運動時の呼吸困難。びまん性のすりガラス影をみたらAIDSを含めた何らかの免疫不全状態も念頭に置く必要がある。
 本例は、その後の詳細な問診で同性愛者でHIV陽性であることが判明した。


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