日々の症例 1 開腹創瘢痕部にみられた異所性骨化




1-170歳代、女性。硬い心窩部腫瘤の精査を目的とした単純CT5年前に胃の手術を受けている。

>画像所見 : 胃にmetal shadow(ペッツ)があり、術後胃であることが分かる。胸骨に線状のlow densityがみられ、胸骨の骨傷が疑える。この胸骨下面から腹直筋白線に沿って石灰化陰影が伸びている。
>診断 : 開腹創瘢痕部にみられた異所性骨化

>解説 : 
本例では胃手術時に剣状突起が切除されており、この際に離散した造骨細胞が異所性骨化に関与している可能性が高い。ただし、ごく通常の開腹創瘢痕部にも異所性骨化がみられることもあり、手術創の幼若結合織の化成によるものと考えられている。

 1-270歳代、男性。20年前に胃全摘手術を受けている。

>画像所見 : 胸骨から連続して腹壁内に不整形の異所性骨化が伸びている。
>診断 : 開腹創瘢痕部にみられた異所性骨化

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